よくあるご質問

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全国機構と経団連とはどのような関係ですか。

全国機構は経済界の立場から就労支援を通じて安全で安心な社会づくりに貢献しようとするものですので、設立に当たっては経団連とご相談し、趣旨のご理解を得るとともに、経済界からの役員の推薦や会費制度についてのご助言をいただき、会長に今井敬経団連名誉会長、副会長に奥田碩同名誉会長、理事に中村事務総長にご就任いただいて平成21年1月にスタートしたものです。
平成24年7月から奥田碩会長、御手洗冨士夫副会長の体制となり、平成28年7月から御手洗冨士夫会長、米倉弘昌副会長と経済界から会長と副会長に就任いただいております。なお、副会長は二人制で木藤繁夫元日本更生保護協会副理事長〈弁護士〉も就任しております。
経団連加入の会社につきましては、経団連からのご推薦をいただき、直接お伺いしてご説明申し上げるにようにしております。

全国機構と都道府県機構とはどのような関係ですか。

組織的には、全国機構及び50の都道府県機構はそれぞれ独立したNPO法人ですが、都道府県機構はすべて全国機構の三種会員として総会のメンバーであり、また、都道府県機構の代表者のうち全国8ブロックから選出された方が全国機構の理事に就任し、理事会メンバーとなっています。
また、資金面では、全国機構は会費収入を都道府県機構の事業費に助成し、犯罪や非行をした人の雇用をしていただいている協力雇用主(都道府県機構の三種会員)に対する雇用実績に応じた給与支払助成等に充当する仕組みとなっています。さらに、各都道府県機構がそれぞれの地域事情を踏まえながらも全国で統一した目標をもって事業を進めるために、全国機構がそれぞれの事業実績の報告を受けるとともに、その取りまとめ結果をフィードバックし方向性を示したり、適宜の助言や協議会の開催などを行っており、全国的なネットワークでの事業推進を図っています。
一方、都道府県機構は、全国機構と同じく一種、二種会員の参加を得て、三種会員である協力雇用主の拡充に努め、保護観察所、刑務所、少年院、ハローワーク等の関係機関はもとより、保護司や更生保護施設と連携するなど、地域に密着したネットワークを広げながら、一人ひとりの出所者等に応じた雇用を実現する具体的な取組を行っています。

なぜこのような事業を民間がやるのですか。

犯罪や非行をした者の再犯防止とその改善更生は、国の責任で行われるべきものです。しかしながら、社会内で生活させながら改善更生を図る仕組みである更生保護においては、地域において一人ひとりの生活実態に寄り添って見守り、指導し、支えていく必要があります。それを国の機関である保護観察所の保護観察官がすべてカバーするのは困難であり、実際にはボランティアである保護司や民間の法人である更生保護施設が保護観察所と協働して実施しています。
とりわけ、社会の中で生活自立を図っていくためには就労が何よりも大切であり、これも法務省と厚生労働省が連携して就労支援の施策を講じていますが、実際に雇用していただくのは地域の民間企業(協力雇用主)であり、受入れにご理解をいただける協力雇用主を拡充するとともに、その負担を支えていく仕組みが必要です。その仕組み作りを国だけが行うのでは、限られた効果しか望めません。民間の活動として経済界を中心に幅広い参加を得ながら組織的に継続性を持って取り組んでこそ相乗的な大きな効果が得られると考えています。これまで保護司が地域において個人的な努力で協力雇用主を開拓してきたことに比べると、画期的な仕組みが経済界の社会貢献として設けられたことになります。
支援を受ける人たちにとっても、社会に自分たちを受け入れるこのような仕組みがあることは、孤立感や反社会性を和らげて社会参加することへの動機付けになります。

「更生保護」とは何ですか。誰が更生保護を担っているのですか。

「更生保護」は、社会の中で罪を犯した人や非行のある少年の立ち直りを助けるための活動です。「罪をつぐないたい」あるいは「非行から卒業したい」という人たちが社会の一員として更生するには、本人の強い意志や行政機関の働き掛けのみならず、地域社会の理解と協力が不可欠です。そこで、我が国では、保護司、更生保護施設を始めとする更生保護ボランティアと呼ばれる人たちのほか、更生保護への理解と協力の下、関係機関・団体との幅広い連携によって更生保護が推進されています。
更生保護の担い手を紹介しますと、まず、法務省の地方支分部局である保護観察所に置かれた保護観察官(全国に約1,200人)が、全国に約4万8千人いる民間篤志家である保護司と協働して保護観察を行うなどしています。その他に全国に103ある更生保護施設(刑事施設から釈放された人や保護観察を受けている人などのうち、頼るべき人がおらず住むところのない人に宿泊場所を提供し、生活指導等を行う施設)、約17万人の更生保護女性会員(女性としての立場から犯罪予防活動、更生支援活動等を行う人たち)、約5千人のBBS会員(青年として非行少年の兄や姉の立場で相談に応じたり、健全育成活動を行う人たち)、約1万9千人の協力雇用主等が更生保護に協力しています。更生保護は、地域社会の中で立ち直りを助ける活動ですので、地域社会の「チカラ」が大きな意味を持っています。ですから、更生保護は官民が協働して更生に向けた取組みをしています。
また、近年は、福祉、医療、教育、労働といった他機関との連携を強めて、地域社会の中で彼らの立ち直りを支援しています。

なぜ我が国の更生保護は民間が大きく参画しているのですか。

更生保護は、地域社会の中で犯罪をした者や非行のある少年の立ち直りを助けています。彼らに居場所と出番、すなわち住む場所や働き場所がなければその更生はおぼつかないものになります。こうした居場所や出番の確保には、地域社会の理解と協力や民間篤志家との協働が欠かせません。かつての行いを責め、排除するばかりでなく、適切な援助や指導があれば更生させられるという信念を持って、地域社会の一員として受け入れることは、彼らの立ち直りを支えることになります。
更生保護の基本法ともいえる更生保護法では、国民に、罪を犯した者や非行のある少年の改善更生を助けるために、国民に対しその地位と能力に応じた応分の寄与を求めています(第2条第3項)。犯罪や非行のない明るい社会作りは、国や地方公共団体ばかりでなく、社会全体で、国民の一人ひとりのチカラによって成し遂げることができるという精神が、更生保護にはあるのだと思います。

再犯防止対策が叫ばれていますがどのような問題があるのですか。また、政府の再犯防止対策はどうなっていますか。

一般刑法犯検挙人員中の再犯者の数は平成27年において11万4千人に上り、検挙人員全体に占める割合(再犯者率)は48%と平成9年から一貫して上昇しています。
これらの数字は、いったん犯罪を起こすとなかなか立ち直ることができない者が多いことを示しています。このことは国の刑事政策のコストを増大させますし、社会から落ちこぼれたり、はみだしてしまう人たちの増加をも意味します。また、これだけ再犯者が多いという事実は、彼らに焦点を当てて早期に再犯防止を図ることにより犯罪を減らす効果的な対策を講じることの必要性をも示しています。
そのため政府は再犯防止対策を重要な課題に取り上げ、平成24年7月20日には犯罪対策閣僚会議で「社会における居場所と出番を作る」ことなどを重点施策とする「再犯防止に向けた総合対策」を策定し、出所後2年以内に再び刑務所に入所する者等の割合を今後10年間で20%以上減少させるという数値目標を掲げました。
また、平成26年12月16日の犯罪対策閣僚会議で決定された宣言「犯罪に戻らない・戻さない」において、「2020年までに、犯罪や非行をした者の事情を理解した上で雇用している企業の数を、現在の3倍(約1,500企業)にする。」という目標も掲げられています。
さらに、平成28年12月に公布施行された「再犯の防止等の推進に関する法律」においては、犯罪をした者等の就労のあっせんや就労の定着等について国や地方公共団体が必要な措置を講ずることを義務付けています。
こうした目標を実現し施策の推進を図るためにも、ますます就労支援が大切なものとなってきます。

対策を講じなければどのような問題が生じるのですか。

近年、身近に相談相手を持たず、孤立したまま犯罪を繰り返す者が増えていますが、犯罪を繰り返して受刑生活を重ねるほど、社会で生きることをあきらめ、刑務所に戻りたいという気持ちから万引きや無銭飲食などの再犯をしてしまう者もいます。刑務所を居場所にする者を増やさず、自暴自棄に陥ったり社会への敵意を募らせたりする前に、早期に社会の一員として復帰する機会を用意することが社会の安全のためにも大切です。
市民の安全が脅かされるリスクや国の財政負担の増加などを減ずるためにも、社会の中に居場所を得る機会があることを彼らに感じ取らせていく必要があります。

再犯防止のためにどのような取組が行われているのですか。

刑務所や保護観察所において個々の犯罪傾向に応じた専門的な改善プログラムが導入、実施されているほか、受刑中からの就労先や帰住先の調整が行われています。平成27年の仮釈放者は13,570人で、満期釈放が9,953人です。仮釈放と満期釈放の再入所率を比較しますと平成23年の出所者で5年以内に刑務所に戻った者の割合(累積再入率)は仮釈放者が28.7%で満期釈放者は49.5%となっており、再入率に差があります。これは仮釈放者には引受人がいるとか、保護観察に付されるとかの条件の差によると思われます。満期釈放者の多くが引受け先や住居がなく、したがって仕事にも就きにくい状況で、再犯防止の上で大きな課題となっています。

犯罪者の立ち直りにおいて何が大切ですか。

これまでの犯罪白書や犯罪対策閣僚会議でも方策が示されていますが、住居と就労の確保が社会生活に適応する上で重要な要素であり、加えて、刑務所出所者等の多くが相談相手や具体的に頼ることのできる人間関係を持たないことから、継続的なサポートも重要な要素です。
中でも保護観察対象者のうち、仕事に就いていない者の再犯率は、平成27年において25.2%であり、仕事に就いている者の再犯率(7.7%)に対し、約3倍に及んでおり、就労の大切さが示されています。

国としてはどのような施策を講じているのですか。

平成18年度から、法務省と厚生労働省とが連携し、各地域で保護観察所とハローワークがサポートチームを組んで、一人ひとりの刑務所出所者等に対する相談支援を行っています。また、厚生労働省は、刑務所出所者等を試行的に雇用した事業者にトライアル雇用助成金制度を適用し、月4万円×3ヶ月間の支給をしています。法務省は、刑務所出所者等を雇用した事業者に対し、その雇用によって損害が生じた場合に見舞金(最大200万円)を支払う事業について補助金を設けています。
また、協力雇用主には、平成27年度から、「就労・職場定着者奨励金」が月額8万円、最長6か月間支給可能で、6か月経過後3か月ごとに2回、最大12万円支給可能で、1年間最大72万円支給可能です。
そのほか、法務省は平成23年度から、更生保護就労支援事業を民間への委託事業として創設し、平成29年度において20都道府県で実施されています。この事業は、刑務所・少年院における面接、雇用先の開拓、就労調整、就労後のフォローなどをきめ細かく行うものです。

都道府県における三種会員にはどのような事業者がなっているのですか。

多くは地域の中小零細の事業者の方々であり、地域の安全・安心を志して貢献されている事業者に協力していただいています。その中には障害のある人なども含めて雇用機会を提供されている事業所も少なくありませんが、そのための仕事を切り出して創出したり、社員の理解、協力を得るように努めたり、企業としての負担は少なくないと考えます。
業種としては、建設業が約半数、次いでサービス業、製造業運送業等です。雇用協力事業者になったきっかけとしては、保護司から頼まれた、犯罪者や非行少年の立ち直りに貢献したかった、他の雇用協力事業者に誘われたなどが挙げられます。

雇用をした三種会員に対してどのような支援がなされているのですか。

都道府県機構から給与支払助成が行われていますが、その月額(月4万円のところから1万円のところまであります)、期間(最長6月のところから最短1月のところまであります)等は都道府県機構によって異なります。
全国機構は都道府県機構に給与支払助成に要する経費の助成を行っており、平成28年度の全国機構の助成額は3,586万円です。
また、給与支払助成以外にも、住込み就労の受入れ助成、刑務所面接経費助成、作業着支給助成、健康診断助成なども行っております。

会費はどのように使われるのですか。

会費はすべて都道府県機構の事業費の助成に充てています。その事業費は、雇用を行った事業者に対する給与支払助成を中心に、雇用された刑務所出所者等に対する作業着の支給、健康診断経費の支給や職場体験講習の交通費支給などに充てられています。すなわち、基本的には雇用した事業者と就労支援を受ける対象者に対して使われています。

会費は税額控除の対象になりますか。

会費は税額控除の対象にはなりません。ただし、一般的には、他の会費と同様に必要経費として認められると考えられます。

機構のホームページに会員企業のホームページをリンクできるのでしょうか。

ご希望があればホームページの会員名簿において会員企業紹介としてリンクさせることができます。

全国機構に支援・助成をしている更生保護関係団体には、どのような法人がありますか。

更生保護法人日本更生保護協会(全国の更生保護事業に対する助成、従事者に対する研修等を実施。理事長・御手洗冨士夫)、更生保護事業振興財団(全国の更生保護施設をはじめ、更生保護事業に対する助成を実施)の2団体です。

都道府県機構の三種会員になるにはどうしたらよいですか。

全国機構のホームページには、会員情報があり、三種会員(都道府県機構)をクリックしていただくと、全国50か所の都道府県機構の所在地、電話番号等が掲載されていますので、各都道府県機構にお問い合わせください。